マンションの排水の流れは「仕組み」を知ることが大切。
先日の暴風で桜もすっかり舞い散ってしまいました。今年の桜は開花の時期は短かったですね。
大阪では「今日から桜は満開です」と、ニュースで放送されてから3日は持たなかったのではないでしょうか??
まさかの暴風・・たった一日で、綺麗な桜も寂しくなっちゃいました。
マンションの排水の流れについてご紹介します。
マンションのような集合住宅と戸建住戸の排水の仕組みはまったく異なります。
戸建の場合は、一軒につき1つの下水枡(マンホール)が設けられております。
マンションの場合は、専有部(個人宅)の排水と共用部(マンション側)の排水があります。
端的に説明すると、何か問題が起きた場合、専有部なら個人宅の責任、共用部ならマンション側の責任となります。
ここで絶対に勘違いをしてはいけないことがあります。それは、「共用部はマンション側の責任だから、
うちは気にしなくていい」という、安易な考え方です。
排水管清掃の作業をしていると、たまにあります、このような一場面が・・・
居住者様
「共用部ってマンション側の問題だから、うちは何も気にしなくていいのよね??」・・・
作業員
「お客様。それは間違った考え方です。共用部は一番注意しなければいけません。
「共用」とあるだけに、共用部は居住者様みんなで使用しているのです。」
「うーん」って思わずなっちゃいます。。ここで私たちが伝えたいことは、
「マンションのような集合住宅は、みんなで住んでいる“意識”が大切だ」と、いうことです。
マンションの排水の流れはどのような仕組みになっているのか?
マンションのある1室を想像してみてください。仮に305号室としましょう。
305号室の排水は「雑排水」が集合しており、「汚水」は単独で排水しております。
雑排水の集合とは、基本的に「台所」・「洗面排水」・「洗濯排水」・「浴室排水」の4ヶ所を指し、
生活雑排水の略称で「雑排水」と言われています。ちなみに汚水は「トイレ」のみの排水を指します。
なので、排水管の清掃作業には基本的にトイレの洗浄は入っておりません。
305号室で話を進めます。305号室の雑排水管は下流部分で合流し、
1本の配管となって縦本管へ流れていきます。各住戸の排水の最終着地点は縦本管です。
縦本管の位置はマンションによって異なります。トイレの裏にあったり、脱衣所辺りにあったり、
遠い所では廊下側のPSにあったりします。
汚水の縦本管は決まって同じです。トイレ内の便器の真裏か真横に設置してあります。
縦本管は下の階から上の階まで1本で繋がり、○号室系統の各住戸で共有している。
先ほどの話しでもありましたが、マンションの排水は「1本の排水管を
各住戸で共有する仕組み」になっています。
それが縦本管の役割です。つまり「共用部」の配管です。例えば5号室系統の該当住戸は、
305号室も405号室も805号室も1205号室も同じ縦本管を使用しています。
居住者様にとって特に注意すべき排水事情は「下と上の階の関係」です。
例えば上の階の台所が詰れば、その下の階に水漏れする可能性があります。隣の部屋には水漏れしません。
マンションの最下階は「単独最下階」と「系統最下階」に分かれる。
仮に1階〜15階の建てマンションとします。その場合、最下階は1階と2階に分かれます。
1階は「単独最下階」となり、2階は3階〜15階の「系統最下階」となります。
何故最下階を2つに分ける必要があるのか??
それは、系統全ての排水の負荷が一番下の階(1階)にかかってしまうからです。
つまり、排水量の負担を分散する為に、「単独最下階」と「系統最下階」に分けていると、お考えください。
そして、1階が最下階の場合は、縦本管から床下配管を通りマンホールの下水枡へと流れます。
また、2階が最下階の場合は天井配管を通りマンホールの下水枡へと流れます。
ご理解いただけましたでしょうか??
ちょっと一般の方には理解し難いかも。。私もブログを書いてて、
自分で「難しい!」って思わずツッコミを入れてしまいました(笑)。
伝えたいことは一つ、「マンションはみんなで住んでいる意識が大切」ということです。しっかりご理解ください。