【危険】リフォームをしてから流れが悪くなった事例
「うちは古いマンションだし、そろそろリフォームしようかな…」
このようにお考えになっている方はいらっしゃいませんか??
排水管清掃業者のプロの視点でご意見しましょう。
リフォーム自体はぜんぜんOKです。
しかし、しっかりリフォーム前の「状況」を把握してからリフォームを検討してください。
いったいどういうこと??
リフォーム業者は設備を設置する事が仕事です。
なので、排水管の構造を熟知している訳ではありません。
配管状況を考慮して無理なく不可なく着工するかと言うと「うーん??」って感じですかね。
無理やり繋いだ配管により詰まりを起こした台所
先日お伺いしたマンションは築40年にもなる建物です。
マンションにお住まいの居住者様も「うちは古いからね」と、
ほとんどの方が承知の上でお住まいになっている状況でした。
とある居住者様宅で1年前にリフォームをした台所がありました。
使い勝手が悪い台所で古くなり、そろそろリフォームをしようとなったのが、
今から1年前の頃のようです。
しかし、リフォームをしてから徐々に排水の流れが悪くなりだし、
1年後には完全に排水不良を起こしていました。
私たちが伺った頃にはすでに溜水している状況で、
高圧洗浄をするとすぐに真っ黒の排水が逆流してきました。
更に大量のグリスと錆も摘出しました。
何度、高圧洗浄をかけても通管する事が出来ません。
逆にグリスと錆で完全に閉塞してしまい、
高圧洗浄では手に負えない状況まで悪化しました。
高圧洗浄では歯が立たない「ワイヤー」で通管しよう。
私たちは台所シンクに溜まった排水を全て取り除きました。
そして、なぜ完全に詰まってしまったのか、
状況確認の為に収納庫にある点検口を外し、
排水管を見たところ台所の配管は驚きの構造になっていました。
それがこちら写真です。
リフォーム後の「配管構造」4の問題
まず1つ、左側のテープ巻き補修ですが、
元々はゴムブッシング止めがゆるゆるの状態で、若干の水漏れもありました。
2つ、台所シンク下から50センチまでの距離で90°の接続管が6箇所もあります。
これでは高圧洗浄でも、立て本管まで通す事は非常に困難です。
3つ、下手の配管が鉄管であること。今回の詰まりは、
この箇所からもう少し先の辺りで、完全に閉塞を起こしたと思われます。
4つ、これが1番最悪です。塩ビ管と鉄管を無理やり繋ぐ為に、
口径を50φから40φに落としています。リフォームをしたとしても、
配管がこの構造では、逆に排水が悪くなるのも仕方ありません。
理想的な工事は他にも方法はありますが、それは業者の技術によって様々なので、
「これが正解です!」とは、言い切れません。
ただ、排水の状況を把握する事である程度の問題は回避できます。
例えば、建物の築年数・過去の排水状況・配管の素材・配管の口径など、
リフォームをする前に確認が出来ていれば工事方法も変わってくるでしょう。
私は思います。居住者様は素人の方なので、ここまで排水管の事情を知る事は不可能であり、
むしろこのような説明を受けた所で理解に苦しむと思います。
だからこそ、業者の方が親切心をもって居住者様からヒアリングをするべきです。
リフォームをしてから排水の流れに不満を感じいてる方へ。
排水管の清掃業者が来られた時にでも、ご自宅の配管の状況を確認してもらってもいいかも知れません。
ご遠慮なく何でも相談してみてください。