朝一番の変更での“あるある”トラブル

 

排水管清掃の作業時間は午前9：00か9：30～午後16：00か17：00頃までが基本的な1日の作業時間です。もちろん、業者や地域によって異なりますが、だいたいこの時間帯ではないでしょうか？

1日の限られた時間の中で作業を行う為、「朝一番に来てほしい」・「ラストに来てほしい」・「14：00～15：00までの間に来てほしい」など、お客様からの作業時間の「変更」は受付けしております。

 

近年では当社だけ？ではないと思いますが…

 

朝一番の変更だけ受付けを制限することにしました。一昔前までは、一斑が抱える朝一番の変更件数は、4件・5件が当たり前のようにありました。一斑で4件・5件を回ろうとすると、だいたい時間にして30分から45分くらいかかります。

これが当たり前の作業であって、朝一の変更は何件でも受けておりました。2班で作業をするなら朝一番の変更は8件から10件になります。すると、お客様からこのようなクレームが増えるようになったのです。

 

「いつになったらウチに来てくれるの？」

 

 

つまり、正規の予定で待っているお客様から「いつになっても来ない」とクレームが増えるようになったのです。理由は明らかでした。先ほどもお伝えした通り、一斑で4件・5件を回れば、30分から45分くらい時間がかかることもあります。

同フロアの変更ならすぐに移動はできますが、10階から2階（仮）へ移動や、1号室から18号室（仮）に移動となると容易なことでありません。

変更を終えて、正規で待っているお客様のご自宅に伺えばどうでしょう？「待っているのに、なんで来ないの」となります。まぁ当然ですよね。私たちも言い訳がましくその理由を伝えます。

 

「いや、変更のお客様宅を回っておりまして…」

 

するとお客様は更に怒りを増してきます。

 

「そんなことわかっています。ただ、常識の時間を超えすぎじゃありませんか？」

 

私たちは言葉がありません。正論です。予定や事情があるのは変更のお客様だけはありません。チラシで事前に伝えている工事予定を見たり、過去の経験からも、ある程度は想定して段取りをしているかも知れません。

そもそも朝一で4件・5件の変更を受けることに無理があったのです。私たちは改善を考えました。変更で早く家を出たいお客様と、正規の予定で待っているお客様にも混乱がなく、双方に早い時間でお伺い出来る方法を。

当時（もう何年前になるやら…）の会議で社員が出した答えは「変更を受ける件数を減らそう」でした。「変更の件数が多いから減らす」そう考えるのがシンプルな改善方法です。しかし、それですべてが改善されるでしょうか。

 

例えば「朝一の変更は3件しか受けません」とルールを決めましょう。すると「去年は変更を受けてくれたのに、今年は何故受けてくれない…」というクレームが多発することが予想されます。

 

また、「変更が多すぎると他のお客様に迷惑がかかるから」と理由を言ったとしても、「決めたのはアナタの会社じゃない」とお客様は言うでしょう。少なくとも私ならそう言います。そして「無理な変更でも対応できるように考えるのが、改善じゃありませんか？」と、ちょっと嫌味を言うかも知れません。

 

つまり、私たちの都合で件数を減らしても、お客様は納得してくれないのです。

 

安易に変更の件数を減らすことが最善の対策ではありません。では、どのようにすれば、正規で待っているお客様も、変更したいお客様も双方の納得していただける方法はないかと、会社一丸となってみんなで考えました。

 

そうだ！作業開始時間を早めましょう！

 

 

一人の社員から出た言葉でした。「そうだ！作業時間を早めましょう！」と。みんなその言葉に「うんうん」と同じようにリアクションをとっています。恐らく、経験豊富な作業員ばかりだから、似たような閃きがあったのだと思います。今では午前の作業開始時間は9：00となっていますが、3年ほど前は9：30が作業開始の時間でした。その作業開始時間を9：30→9：00に変えようとなったのです。これにはメリットがあります。

 

午前の作業時間を9：00開始に変更した理由はこちらです。

 

「朝早く家を出たいお客様の為にも、また、正規でお待ちになっているお客様の為にも、平等に早い時間でお伺いできるように、作業開始時間を9：00に変更します」

 

このような理由ならお客様は嫌な気持ちにならないと思うのです。これは私たち作業員の都合でなく、お客様の事情を優先に考えた改善案でした。作業開始時間を早めたことで、結果的に満足いただけました。

それ以来、当社の排水管清掃の作業開始時間は、基本的に午前は9：00からとなりました。お客様の事情で9：30開始ところもあります。そこは柔軟に対応させて頂いております。作業開始時間を早めたことでクレームは無くなりました。むしろ、朝一番の変更件数も少なくなったかも知れません。中には「作業時間が早くなったら、午前中に出かける事もできて助かっています」と、お礼の言葉も頂戴することもあります。

今回の改善でよかったことは、変更のお客様と正規で待っているお客様と「双方に混乱を招かない且つ満足いただける」新しい案がでたことですかね。私たち作業の都合でなく、あくまでもお客様の事情に合わせて考えれたことが立派です。

しかし、お客様の言うことばかり取り入れても、不十分な作業になったり、他のお客様に迷惑がかかったり、クレームが多発することもあります。

 

原則はあくまでもWIN-WINです。この作業にかかわる全ての人達が満足する改善案を、これからも追求していきたいと思います。