【逆流事故episode3】責任が無くても、元の状態には戻らない…
逆流事故の話も今回で第3回目となりました。
実は今回の話が一番伝えたかったことでして…
よくもここまで引っ張ったものです(笑)
前回のブログの最後に、
「被害にあったお部屋の復旧は…100%元通りの形では戻ってきません。物損等の被害は80%くらいにしか戻ってこないのです」
と、このようにお伝えしました。
今回のブログでは被害を受けたにもかかわらず、80%くらいしか戻ってこない生活の実態を詳しくご紹介致します。
突然の事故であっても、元の状態には戻らない…
この逆流事故の事例をもう一度おさらいしましょう。
逆流が発生した部屋は、とあるマンションの8階のお部屋でした。そこのお客様は年に1度は必ず排水管清掃を受けており、専有部(お部屋)の排水状態に
問題はありません。
排水詰まりが発生した箇所は縦本管、つまり共用部です。経年劣化や汚れによる不具合は基本的にマンション側の管轄で、居住者様に責任の所在はあり
ません。
しかも今回のケースは、以前から私たち(業者)から縦本管が酷い状態であことを、事前に報告を受けていました。
と言っても、大掛かりな特別工事を要するので、すぐに対応できないことは承知をしております。しかし、対策がなかった訳ではありません。
ザクっと言いますと、居住者様にはまったく責任が無いのです。
いつものように普段通り自宅でくつろいでいると、突然逆流が発生したのです。これは被害者以外なにものでもありません。
ですが、、本当の問題はここから始まります。
元の生活には戻れない。
突然の逆流事故によりこちらのお客様宅は排水の被害にあいました。生活雑排水です…とてもじゃありませんが、このまま生活を続ける訳にはいきませ
ん。
床・クロス・天井など、排水の被害にあった箇所はすべて弁償になります。1家全改装となる場合も、リフォーム費用や万が一の引越し費用もすべて弁償
の対象となります。
私たちのような水害事故のリスクがある仕事は必ず水害保険には入っています。なので、マンション側も取り急ぎは保険で対応するのです。
問題はここから、、
逆流排水を帯びた、絨毯・カーテン・服・食器・棚などの「物」は、100%の状態で物もお金も戻ってこないのです。
詳しく説明しましょう。
例えば絨毯。購入した時期が10年前だとします。その場合の商品価値としては10年前と比べてどうなのでしょうか。その妥当性を図る為に鑑定士が間に
って調査を行います。
鑑定士の結果、商品は劣化もしているし価値としてはそれほど高くないと判断します。これはほんと例えばの事例ですが…その場合80%しか返金され
ないのす。10万で購入した絨毯であれば8万の返金となります。
この調査は物損したすべての物に鑑定士が査定を行います。
ちょっと考えてみましょう。
貯金して初めて買ったブランドのバック…傷はたくさんあるけど家族の思いが詰まった家具…。これらすべて突然発生した逆流のせいで、思い出もお金
普段通りの生活も、逆流が奪ってしまうのです。
これが「ある意味ですべてを破壊」する実態です。
逆流事故で伝えたかったこと。
今回の話はシリーズにして逆流事故を紹介しました。
結局のところ私は何を伝えたかったかと言うと、
「逆流は平凡な生活(暮らし)を奪っていく」
これを伝えたかったのです。
なぜかと言うと私は20年にもなるキャリアの中で、数々の逆流事故を見てきました。小さい逆流から大きな逆流まで、色んなパターンの排水詰まりを
対処してきました。
排水詰まりを通管する仕事には、誇りとやりがいを持っております。お客様からも「ありがとう」と深々と感謝を受けます。
ですが逆流の場合、その「ありがとう」は、どこか悲しさを感じる時があのです。その問題は解決したものの、これからの生活のことを考えると心か
ら喜んでいいのか…私は疑問です。
そのような経験を十二分に積んだ上で、私は逆流事故を未然に防ぐため啓蒙していこうと、今回のブログを作成しました。
啓蒙と言うとちょっと大げさですが、そのくらいの気持ちがあって良いと思います。
お客様へ「安心・安全なライフスタイル」を提供することで、引いては社会貢献にも繋がると、私たちは信じております。