【緊急レポート】排水でパンパンに溢れ返ったマンホール…
先日、外部共用部の排水詰まりの件で緊急作業に行って参りました。
「マンホールから排水が溢れています!すぐに処置してください!!」
お客様からは異常な空気感が伺えます。
私たちはすぐに現場へ向かいました。
幸いにも私たちが到着した頃には、マンホールから排水が溢れておりません。
しかし、マンホールを開けてみるとこのような状態です。
排水でパンパンに溜まっていた
写真を見ておわかり頂けるように、マンホールの中は今にも溢れんばかりに、
排水でパンパンに滞留していました。
次に、滞留している会所の下手の会所を調べてみると、
こちらのマンホールは異常がない正常のインバートが見えております。
(上手と下手の本管に何か問題がある)
我々は問題の場所を特定しすぐに高圧洗浄を実施しました。すると、、
本管から次々と土砂で出てきたのです。
しかしそれでも、まだ滞留している排水は完全に引きません。高圧洗浄をしても何か(障害物?)に当たっている様子です。
カンカンカンと、配管の中で何かを叩いている感触がありました。
「これは管割れしているな」
「管割れ」とは、配管が割れている状態です。配管が割れることで、
その隙間から土砂が流出し排水詰まりの原因を起こします。
今回の管割れは、配管の中で大きく破損していると想定されました。
なぜ、大きく破損していると想定したのか?
ここは非常に重要な判断です。
管割れを起こしていたら土砂を引き出すことはあります。
それが少々の管割れであったとしてもです。
この現場の管割れは大量の土砂を引っ張り出したのと、
高圧洗浄が何か障害物に当たって、進んでいきません。
こういったケースは、管が割れ更に配管が上下にズレてるところまで、想定できるのです。
管割れくらいなら高圧洗浄は問題ありませんが、
管が上限にズレていると、高圧洗浄が困難になるのです。
つまり、それだけ配管の中は大きく破損していることを裏付けます。
大量の土砂を摘出しました。
1つ先の下手会所から高圧洗浄をかけて排水は引きません。
なので、2つの手前の上手会所から高圧洗浄を実施することにしました。
もちろん、1つ手前の上手会所は、技術的に洗浄ホースを通過させます。
すると、見事に排水が引きました。パンパンに滞留していた排水が勢いよく引いていったのです。
そしてもう一度、下手に戻って高圧洗浄を実施。
この作業は土砂の摘出です。上流からの排水が流れるようになるまでは、土砂を摘出しなければなりません。
それで出てきた土砂がこちらです。
写真はごく一部です。
実際には土嚢袋3つ分くらいの大量の土砂が出てきました。
今回の作業はこれで終了です。管割れしている限り、土砂は永遠と出てくるので、
上流からの排水が確認とれたら、一時的な応急処置は完了となります。
見出し:配管内で大きな破損が確認されました。
後日、内視鏡調査を行ったところ、想定通りの管割れと管のズレを確認することができました。
高圧洗浄でこの状態を的中させるのは、自分の言うのもあれですが…技術と経験です。
1週間後…
溢れ返っていたマンホール会所から下手のマンホール会所までの本管を、
工事することになりました。これでやっと完治です。
排水詰まりには様々な理由があります。
高圧洗浄やワイヤーで対処できる程度の詰まりや、
今回のケースのように、配管そのものに異常があり、根源を直さない限り改善しない問題もあります。
排水管清掃の作業員としては、その問題をどこまで想定し判断するかの技術が問われます。
特に排水は目でみることが出来ないだけに、自分の五感を信じるしかありません。
そんな、五感こそ技術と言える、排水管清掃の仕事を誇らしく思います。